ヒキコモリ漂流記

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中学2年の夏から6年間ひきこもっていた髭男爵山田ルイ53世。本名、山田順三。

芸人としてよりも一人の人間として、彼が経験したひきこもり生活とその後の困難について書かれた自書伝である。

ここでいう困難とは、芸人全般による売れないことによる困難とは少し違う。いや、大きく違う。相方のひぐち君は3畳8千円の極小激安の家に住んでいないし、消費者金融から300万もの借り入れをすることもない。単に売れてないがためにお金がないのではない。
要するに長期間のひきこもり生活が自分の足枷となり、全てがマイナス、ダメな方向という出目が出続けていたのだ。
幸いにして、髭男爵の往年のキャッチフレーズ「ルネッサーンス!」が売れたことで底辺からの復活(ルネッサンス)を果たすわけだが、一発売れていなければ今頃どうなっていたかは想像に絶するものがある。

これは髭男爵山田ルイ53世の話、ではなく、山田順三という一人の男の話である。

自ら中学受験を志し、親の期待を上回る名門私立中学に合格。神童と呼ばれひきこもりがなければ東京大学合格も夢ではなかったという学力は、この本の軽やかな文体に表れている。

一見すると重そうな話題、テーマであっても、悲壮感ただようことなく、淡々とかき綴られており、持ち前の芸人としてのクレバーさを伺わせるユーモアに溢れてる。

とりあえず、ひきこもると大変だということが痛いほどわかる。
そして、その引き金となったうんこ事件。うんこ漏らすということは子どもの未来を大きく歪ませる。

もし、子どもがうんこを漏らしそうになったのなら、人の目を気にせず、近くの家に駆け込み、助けを求めるよう教えようと思う。 

それがこの本から僕が子どもに伝えたいことだ。漏れるものはしょうがない。それをどう防ぎ、最小限の被害に抑えるか。人類共通の課題だろう。