COMIX 家族でできる7つの習慣

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 自己啓発本は、自分が読みたい・知りたいといった欲求がないと読んでも頭に入りません。

 23歳で入社したシステム開発の会社(倒産済み)ではスティーブン・R・コヴィの「7つの習慣」を読むことが義務ずけられており、そこから学んだことを報告書にまとめるという研修カリキュラムがありました。当時、小難しい本を読めせるだけの安易な研修に意味があるのかと懐疑的な私は代々受け継がれてきた先輩方の報告書を丁寧にパッチワークで繋ぎ合わせ、1ページも読んでいない本の報告書を提出したことがあります。今となってはいい思い出です。

 月日は流れて10年たっていま、あの「7つの習慣」に興味を持つようになるとは。人間、変わるものですね。ふと書店で本書を見たときに懐かしい記憶を思い出し、そろそろちゃんと読んでみるかと大人な向き合い方をしたわけです。そして、まずは読みやすいコミックス版である本書を手に取った次第です。

 アイドルを目指す娘とその家族のお話を「7つの習慣」で紐解いていく内容になっています。漫画としてはご都合主義がふんだんも盛り込まれているわけですが、「7つの習慣」を知らない人にとっては入門用として最適だと思います。ドラッガーの「マネジメント」の入門用としての「もしドラ」が存在するのと同じようなポジションです。

 そもそも7の習慣とされているのはどのような習慣なのかご参考まで。

第1の習慣:主体的である

第2の習慣:終わりを思い描くことから始める

第3の習慣:最優先事項を優先する

第4の習慣:Win-Winを考える

第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される

第6の習慣:シナジーを創り出す

第7の習慣:刃を研ぐ 

  当たり前のことなんですけどね、書かれていることは。

 ようは、当たり前のことが習慣になっていないわけです。今の仕事は個人プレーで仕事をすることが多いので、他人との折衝やコミュニケーションが決して多くない環境です。他者との関わり合いを通して自己の置かれている立場や危機感を知るわけで、7つの習慣ができている人はこれらの習慣を必要とする現場で仕事をされているように思います。環境のせいにしていてはいけないのですが、仕事でアドレナリンが高まる瞬間がトラブルだけっていうのもなんだかなぁと思いながら一歩一歩、人生の階段を登っている今日この頃です。

自民党で選挙と議員をやりました

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 選挙に立候補する予定も見込みもないわけですが、訳あって自民党から立候補して戦う市議会選挙とはどういうものなのか、知る必要があったので購入。まあ、いろいろあるのです。

 さて、著者である山内和彦さんは自民党の公認候補として川崎市議会議員の補欠選挙に立候補し、見事当選を果たし1年半の任期を全うした人です(通常は4年任期ですが任期2年半が経って行われた補欠選挙のため残り1年半の任期)。ご本人は川崎市に縁もゆかりもない。すべては一本の電話から始まった。立候補する気はないか。電話の相手の質問に即答し、立候補することに。そのフットワークの軽さが素晴らしいですね。人生、どういう転機が訪れるかわかったもんじゃありません。転がり込んんだチャンスはつかまないといけませんね。

 私が知りたかったのは自民党という大きな看板はいかに選挙に有利なのか、また市議会戦という地域に密着した選挙の裏側がどうなっているのかの2点。

 いやはや、自民党から公認をもらうことは選挙に大変有利であることがよくわかります。後援会しかり、選挙応援しかり。名高い名士のバックアップと党員による人海戦術。そこには海のものとも、山のものとも、何処の馬の骨でも選挙を善戦できるノウハウがパッケージで存在しているわけです。選挙は票を集めた人が勝つシステムなので、支持者が多い母体で戦うことは、すなわち勝利への近道だと思わざるを得ない。その分、しがらみも多いわけですがそこはトレードオフ

 気になる懐事情ですが、自民党の公認を得て立候補するからには簡素な選挙戦は許されないので、そこは格式高く由緒ある戦いをするために相応しい額を立候補者本人が用意しなければなりません。山内さんの場合、収支報告書に記載した金額が330万円。収支報告書に載らない引越費用や選挙期間外での活動費も掛かっているわけで、当選するために相当な金額がかかっています。無所属で立候補して選挙内容を簡素にすればもっと安くできますが、勝つために金に糸目をつけてはいられない。ほんと、選挙に「かばん」は必要ですね。

 読後、私が住んで市や近隣の市議会選挙の結果を確認したところ、約8割の人が当選していることがわかりました。立候補者が少ないのか、市議会戦とはもともとそういう倍率を想定した選挙なのかわかりませんが、正直当選しやすい選挙なんだなというのが感想。選挙プランがあり、戦術と興味を持っていただくアクションをしっかりと行えば当選できそうな気がする。ただし、政党別に立候補者を見ていくと、落選している人のほとんどが新人無所属。政党公認、現役市議という2枚の看板の強みが当選リストから見て取れます。とはいうものの、戦略さえあれば、勝てる戦いのように思えて仕方ない。さてさて、どうなることやら。まあ、立候補しないけどね、僕は。そういう仕事が向いていない人なんで。はい。

がんばれ!!小さき生命たちよ―村田修一選手と閏哉くんとの41ヵ月

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出産は奇跡だ。この言葉はマンガ「コウノドリ」の主人公、鴻鳥サクラのセリフである。

昨年、妻が第一子を出産し、父になった自分が我が子と対面したときに頭に浮かんだののが冒頭の言葉だった。当たり前の出産はなく、母たちが身体を、精神を削り、命をかけて出産する。そして、出産は思い通りにならないことも多く、コントロールすることができないものだ。妊娠38週目で我が子が生まれ、母子ともに健康であったが、予定外の緊急出産であった。病院に定期検診で訪れたところ、赤ちゃんの心拍が数分間低下する原因不明の現象が見つかった。酸素の供給が正しくできていない可能性があり、即時出産が望ましいとの判断になり、急遽その日に帝王切開を行い、我が子の誕生に至った。この時の妻の心境は僕の想像の以上に不安でいっぱいであったと思う。医者によると心拍低下の原因として考えられるひとつに、臍の尾が首に巻きついていたために酸素の供給がうまくできなったことを挙げられたが、断定はできずあくまで考えられるひとつであり正確な原因は不明である。その後の検査で異常がないことが確認されたので、予定どおり1週間後に退院することとなり、現在に至るまで後遺症もなく元気にすくすくと成長して、もうすぐ1歳の誕生日を迎えるまでになった。これが僕たち夫婦の初めての出産の出来事だ。改めて思う。出産は奇跡だと。

子を持つようになってから、育児や出産に関する記事をよく読むようになり、その中のひとつで神奈川県立こども医療センターのNICUの現場の医師たちによるブログをよく読んでいる。NICUとは新生児特定集中治療室のことであり、新生児に特化したICU(集中治療室)のことである。NICUで起こる出来事、NICUの子どもたちのこと、そしてNICUを卒業したあとの子どもたちの話、NICUに関わる医療と医者の話が日々書かれている。

もし、自分の子どもが早産で体重1000g未満で誕生していたら、NICUに入っていたかもしれない。出産に絶対がない以上、その可能性はあった。そう思うと、とても他人事とは思えなく、新生児医療の現実を知りたくなった。知るべきだと思った。

そのブログの中で度々紹介されているのが、本書「がんばれ!!小さき生命たちよ―村田修一選手と閏哉くんとの41ヵ月」である。プロ野球選手の巨人、村田選手のお子さんは早産により712gで生まれ、 NICUに入院することになった。そこで感じた村田選手の新生児医療の現実やNICUのこと、自身の出産育児に関することが書かれている。また、後半では入院先であり、お世話になった神奈川県立こども医療センターの新生児科の医者、豊島勝昭さんが筆をとり、新生児医療の現実を書かれている。数名ではあるがNICUに入院した子を持つ母たちの生の声も数ページにわたり収録されている。

読後、僕自身の出産に対する認識の甘さを痛感した。どこかで出産がゴールだと妻が妊娠しているときに思っていた。華やかなゴールテープさえ切れればなんとかなる。でも、そうじゃない。読み進めるなかで何度も「もし、自分のこどもだったら」と頭をよぎった。自分のこどもが健康だったから良し、ではなく、子を持つということの責任を改めて感じたし、健康であったことに感謝し、だからといって健康でなかったとしても、それがただただ不幸として受け止めるのではなく、笑顔で家族が前に進んでいけるような家庭を築いていくためにはどうすればよいのかと広い意味で考えるきっかけになった。

NICUは赤ちゃんの闘病の場ではなく、成長の場である」。本書に書かれているこの一文が僕は好きだ。成長の場であるNICUがあることで助かる命がある。その命のリレーを絶やさぬように新生児医療に自分ができることを見つけていきたい。一人でも多くの子どもが笑顔でいられるように何ができるか。そう考える年齢になってきたと思う。次の世代に対して自分ができることをやっていきたい。

投資家が「お金」よりも大切にしていること

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投資信託の界隈では有名な「ひふみ投信」を運用、販売しているレオス・キャピタルワークス(株)の創業者であり、代表取締役である藤野英人さんが書かれた本書。

普通に生活をしている中では、出会うことがなく、謎に包まれている職業のひとつである「投資家」がお金についてどう考え、どう向き合っているのかをこの本では説明している。

そもそも、「お金」について学校で何かを教えてもらったことがない。私はお金の使い道は二つしかないと思っていた。
物を買うこと、そして貯金することだ。
ところが、大人になってからどうやら「運用」という方法らしいと知る。株式、債券、不動産、為替という言葉(そういえば、就職活動のときになぜか先物取引を扱う会社からよく説明会の案内が来ていたがあれはなんだったのだろう)。

日本人はお金儲けを悪とみなしており、お金は得るものではなく、貰うものという感覚があるのではないだろうか。
汗水かいて働けばお天道様がちゃんとお金をあたえてくれるとでも。
また、終身雇用と年功序列の雇用形態がお金のことを考えるきっかけを奪っているのではないか。
波風立てずにそつなくすることでそこそこのお金が毎月自動的に入ってくるものだと錯覚しているのではなかろうか。

本書ではなんでも国にしてもらおうと考える日本人の考え方についてもそれどうやねんと指摘している。
年金が少なくて生活が苦しいと言うなら、そうならないように若い時分から準備をしておくべきだ。
生活が困窮するに至る過程は人それぞれだけど、ただただ国がなんとかしてくれると考えて何の手立ても打ってこなかった高齢者が多数いることは事実。
農耕民族である日本人なら、種をまき収穫をすることをなぜ自分の人生に置き換えて考えなかったのか。いつまでも同じ自分でいられることはないのだから、10年20年先を見据えて今何をすべきかを考えることができるはずなのだが。

金持ちに対する恨み、妬み、ひがみ、そねみ、つらみ。金持ちは批判の対象である。なんせ日本ではイメージが悪い。
ちなみに本書でも説明があるように、バットマンやアイアンマンは金持ちである。そんな金持ちヒーローが生まれない国が日本。正義の味方は決まって公務員という不思議な設定。
お金を持っていない人の方が正しいことをする誤解。

投資というと、損をするイメージ。昔はテレビドラマでよくやっていた。先物取引の営業の電話がかかってきて、あれよあれよと先物で大豆を買わされて大損する人だ(たしか伊東四朗が騙される役だった)。楽して増やそうとするからバチが当たるんだと。

なんだか、足の引っ張り合いで、貧しい生活がよしとされているようにも思える。

僕はお金が欲しい。
お金を得るために今できることをやる。

というかんじ。

 

嫌われる勇気

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ベストセラーとなったアドラー心理学による自己啓発本

本書は「嫌われる勇気」というタイトルではあるものの、嫌われものになるためのノウハウ本ではない。嫌われることを恐れていては何もできないよ、という意味である。

100人いれば100人に好かれることはなく、自分のことを嫌う人もいるという前提を受け入れること、そして嫌われたくない一心で他人の評価を得るようとすることはお止めなさいと述べている。

アドラーの教えをわかりやすく平易な言葉で解説しており、「嫌われる勇気」というキーワードだけでなく、幾つものアドラー心理学のメソッドがこの本にはあります。あくまで、嫌われる勇気とは本書のなかの一節にすぎないということを念頭においてもらいたい。

 

なぜアドラー心理学の本書がベストセラーになったのか

読み進める前に私はある疑問を持っていた。

数多ある自己啓発本のなかで、古典であるアドラー心理学について書かれた本書がなぜ100万部を超えるベストセラーになったのか。

読み終えた今、その疑問に対する自分なりの答えが見えてきたような気がする。

 

1.心理学を知らない

心理学について、みなさんどういうイメージをお持ちだろうか。

私はこころの学問であると同時に、自分という人間を知る学問でもあると思っている。そうした漠然としたイメージはあるものの、具体的な心理学の学問的知識はなく、自分の身となっている心理学といえば専ら自らが対人関係で学んだ成功法や処世術にすぎない。誰もが自らの心理学を生活のなかから学ぶが、古典心理学は本を開き学ばなければ会得することができない。知っているようで、実は知らない。それが心理学に対する私のイメージ。

本書は自己啓発本であるが、中身はアドラー心理学そのものであり、古典心理学の経典である。読み進めるなかで心理学の真髄に触れ、知識欲が震えるわけです。古典の入り口として最良の本であることがベストセラーになった要因の一つなんじゃないでしょうか。

 

2.アドラー心理学がおもしろい

アドラー心理学は世間一般と逆説的な考えが多い。そこが痛快におもしろい。

たとえば、「トラウマは存在しない」という説。
いやあるよ、おおいにトラウマあるよ。と読みながら突っ込まざるを得ない。しかし、そこはアドラーさん。しっかりと反論してくるのです。というか、斜め上から反論してきやがるわけです。

「兄ちゃん、トラウマっていうけど、それただの言い訳やから。過去にしがみついて変化を拒んでいるだけやん。」と。

酒の席が上司がこう言ってきたらパワハラだと炎上する現代。1870年生まれの人生の大先輩アドラーさん(オーストリア出身)には関係ありません。そしてアドラーさんはこう続けます。

「まあ、単に兄ちゃんに変わる勇気が足りないだけやな。」

いやいやいや、そう言われてもそれただのポジショントークですやん。と愚痴を言いそうになる私。

アドラー心理学はぶっちゃけ、勇気の心理学やで。そもそも、いま兄ちゃんが不幸やなーとか思うんならワシは一言言いたい。それ自分で不幸を選んだだけやからな、と。過去は関係ないんや。何を与えられたかじゃなくて、与えられたものをどう使うかやで、兄ちゃん。ワシがとっておきのええ思考法教えたるさかいにな。安心せいよ。ま、そない暗い顔せんと、まあ飲みいや。」

アドラーさん(涙)。

と、居酒屋でええ話聞かせてもらっているかのような気分になります(主観)。イラっとさせてからの回収がうまい。そういうところも私がおもしろいと思うところです。

(※本書で関西弁は出てきません)

 

3.対話形式の物語

本書の登場人物はアドラー心理学をマスターした「哲人」と、その教えを受ける「青年」の二人。この二人の会話形式で構成されています。

青年はアドラー心理学の突拍子もない説に反論していき、哲人がそのすべての反論をアドラー心理学を用いて綺麗に、そして華麗に捌いていく痛快なドラマ仕立てです。
読み手は青年に自分を重ね合わせながら読み進めるわけで、まあ、そう反論するよね、と青年の一挙手一投足に頷くわけです。
ボケとツッコミのお笑い要素はありませんが、テンポのよい二人舞台を見ているような気分になります。
ふたりの掛け合いがほどよくて、気持ち良く読み進めていけます。

この二人芝居の構成は、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』と同じです。ただ、あちらはお笑い要素特盛りで。難しい話を分かりやすく伝える方法として二人芝居形式は有効な手法なのでしょう。

 

4.タイトルコピーが絶妙

「嫌われる勇気」というタイトル。もし「アドラー心理学が伝えたい48の教え」とかだったら絶対売れなかったと思う。

嫌われたくない思考の人が手に取りたくなるタイトル。そして、嫌われることを厭わない意識高い系の人なら「ああ、おれの対人攻略メソッドが本になっている」と思うタイトル。

人は誰しも悩みの一つや二つはあるものです。アドラーは言います。人の悩みはすべて対人関係の悩みであると。対人関係の悩みトップ10に常にランクイン(主観)してくる「嫌われる」というキーワードに悩める人々の脳内アンテナが反応しないわけがありません。

売れるかどうかは本のタイトルで決まるといっても過言ではないでしょう。購買層の懐の広さを感じさせます。本書の続編に「幸せになる勇気」という本が出ていますが、タイトルのセンスは断然こちらに軍配があがりますね。悩みの痒いところに手が届くようなかんじで、もうこれは声に出して読みたいほどよくできたタイトルなわけです。

 

大切なことは、いまを生きていくこと(真面目な話)

この本にはアドラーの教えがたくさん書かれています。
しかし、この本を読んだから何がしの悩みが解決できるわけではありません。
アドラーは言います。

「ワシができることは兄ちゃんのこれからがより良くなるよう道先を照らすだけや。その道を歩み進めるかは兄ちゃん自身が決めることやで。」

アドラー心理学は宗教ではありません。信じるだけで救わるほど甘くはありません。
自分の足で自分の道を進める勇気が必要だと、この本から言われている気がします。

過去の呪縛にとらわれることなく、いまを生きていくこと。
それがアドラーが知る由もない未来(現代)にあてた普遍的で心の中心に置くべき考え方なのかもしれません。実行し、いまを変えるのは自分(あなた)なのです。

ヒキコモリ漂流記

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中学2年の夏から6年間ひきこもっていた髭男爵山田ルイ53世。本名、山田順三。

芸人としてよりも一人の人間として、彼が経験したひきこもり生活とその後の困難について書かれた自書伝である。

ここでいう困難とは、芸人全般による売れないことによる困難とは少し違う。いや、大きく違う。相方のひぐち君は3畳8千円の極小激安の家に住んでいないし、消費者金融から300万もの借り入れをすることもない。単に売れてないがためにお金がないのではない。
要するに長期間のひきこもり生活が自分の足枷となり、全てがマイナス、ダメな方向という出目が出続けていたのだ。
幸いにして、髭男爵の往年のキャッチフレーズ「ルネッサーンス!」が売れたことで底辺からの復活(ルネッサンス)を果たすわけだが、一発売れていなければ今頃どうなっていたかは想像に絶するものがある。

これは髭男爵山田ルイ53世の話、ではなく、山田順三という一人の男の話である。

自ら中学受験を志し、親の期待を上回る名門私立中学に合格。神童と呼ばれひきこもりがなければ東京大学合格も夢ではなかったという学力は、この本の軽やかな文体に表れている。

一見すると重そうな話題、テーマであっても、悲壮感ただようことなく、淡々とかき綴られており、持ち前の芸人としてのクレバーさを伺わせるユーモアに溢れてる。

とりあえず、ひきこもると大変だということが痛いほどわかる。
そして、その引き金となったうんこ事件。うんこ漏らすということは子どもの未来を大きく歪ませる。

もし、子どもがうんこを漏らしそうになったのなら、人の目を気にせず、近くの家に駆け込み、助けを求めるよう教えようと思う。 

それがこの本から僕が子どもに伝えたいことだ。漏れるものはしょうがない。それをどう防ぎ、最小限の被害に抑えるか。人類共通の課題だろう。

スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法

 

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子育ての成功体験本なわけですが、アグネスさんの子育てを真似できるかと言えばできない。
でも、この本に書かれていることで自分が参考にできるところは子どもに何を与えたいのかを明確にすることだと思う。

人を傷つけない人にとか、自分で自分の道を切り開くことができるようにとか親として子に思う気持ちはあれど、そういう考えはこの本を読んだ後では、曖昧なユルい考えと呼んで差し支えない。

この本の第3章、「子ども与えたい16の力」。

アグネスさんは子どもに対して16個与えたい力があり、その力をどうすれば養い、身につけることができるのかが彼女なりの考えが明確に書かれている。

果たして、僕は下記の16個も子どもに与えたい力が思い付くだろうか。
いや、思いつかないな。 

  • 頭脳力 
  • 読解力
  • 集中力
  • 想像力
  • 国際理解力
  • 学習力
  • 健身・健心
  • 判断力
  • 質問をする力
  • 聞く力、意見を述べる力
  • 気づく力
  • 笑う力
  • 自制する力
  • 臨機応変力
  • 疑う力

これら16個の力身につける方法を、自分はこの本を読まずして辿り着くための地図を描くことができだだろうか。

自分の棚卸しを行い、考え方やこれまでの歩みを整理し、そこから子どもにどう教育できるのかを考えることも、子育ての一環だろう。

この本は、親が自分なりの教育論を考えるための一つの教材あり、こういうケースもあるんだなと時折読み返しながら子育てについて考えていきたい。

子育てや教育っていうのは、ある意味、親が自分自身を見つめ直すよいタイミングなんだと思う。